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卒論 Tips2 テーマ選択について  (3/3)

どのようにしてテーマを選択するのか?

ある程度の専門知識を備えた上の疑問でなければならない。事例をもとに見てみよう。

<素朴な疑問1> 古事記って誰が書いたのだろうか?

 このような疑問では、卒論やレポートの題材には成りえない。“そんなの調べればわかるだろう!”という事である。そして、ある程度、この分野についての知識がついてくると・・・

<素朴な疑問2> 古事記の中に出てくる○△は、どのような解釈をすればよいのだろうか?

 となってくる。
少々深まってきた感があるが、これも関連書等をある程度調べてゆくと、“一般的にはA説があり、その他にB説がある。だが、A説が〜〜の理由で有力である。”といった事がわかってくる。
「この両説に異論を唱え、新たな説を抽出する」テーマや、「どちらが正しいかを評価する」といった切り口はテーマになりうるが、新たな説を出すには余程の根拠が無い限り難しい。

この先、調べてゆけばゆくほど、疑問は解決されてしまう恐れがある。情報収集、先行研究分野の下調べをすればするほど、自分と同じ疑問を持った人は過去に存在しており、そのほとんどは解明されている事実にぶつかるものであろう。情報収集・下調べ(下図A)の緻密さと背反する性質をもつため、どこで折り合いをつけるか悩むかも知れない。

 

 


 だが、ここで、参考程度にテーマ選択時の物差しについて示すと、専門分野の教授に、疑問をぶつけてみて

     「わからない」

     「明確にはわからない」

 という答えをもらえるような内容であればテーマとして妥当であろう。尚、わからない理由として

    ◆誰もそのような疑問をこれまで持ったことがなかったからわからない

    ◆時間をかけて調べて検証したわけではないから明確ではない

 といったものであれば、卒論の題材の起点として、よい疑問形だといえる。そのようなテーマを見つけて、時間をかけて、仮説を立て検証し、疑問を解決してみよう。

 なお、レポートの場合、そこまでしなくても大丈夫ということが多い。それは、「自分で調べてみる」という調査自体の 訓練が目的の大半を占めるからである。先生も、将来の「卒業論文」に向けたトレーニングと位置づけているのだろう。持っている時間と、余力をはかりながら、どこで折り合いをつけるか考えよう。 テーマ探しに迷って時間が無くなる位であれば、何でもよいから決めてしまって走り出そう。走り方、走った量を見せることが重要である。



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