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卒論 Tips3 楽していい論文(レポート )を  (2/6)

三つのツボの意味

 論文は通常の宿題とは異なり、“とりあえず作業をしました”的なものは評価の対象とはなりにくい。また「論文」とつくからにはツボの@番目の深く考えるという事は必須である。とにかく深く深く考えることが何よりも重要であり、ここで試されているのは、どの程度、自分の頭を使って考える事をしたのかである。自分で考える力がどの程度ついたのかをみるのが、最終仕上げである卒業論文の一つの意義である。

 次に、A番目のポイント「独自性」だが、これは@の成果として出てくるのかもしれない。考えた結果、他人とは異なる独自性の発揮が期待される。どのような独自性がその論文にあるのか?これこそが、他の誰でもない自分が書く、その論文の付加価値ではないだろうか。 最後のBは、考えた事をまとめて結論までのストーリーを書くときに、我田引水にならずに、“話の筋が通っている”ということである。

 

 このような論文は、読んでいて話に強い説得力が出るものである。

欧米の大学やMBA(経営学修士)ではこの“論理的であること”を非常に重視しているという。米国人の得意芸(?)であるディベートは如何に相手を説得できるかを競うものであるが、そのベースにあるのは、論理展開の切れの善し悪しである。我々日本人の多くは、このような練習を積極的には行ってこなかった。だからこそ、最終仕上げである卒業論文では、論理的な矛盾を起こさず、話の筋が通る論理展開を意識して試してみる必要があるだろう。


 尚、これらは専攻分野を問わず共通して重要なポイントである。専門的な学術分野の話に入り込む前に大局的観点から論文の構成や、独自性、論理展開についてチェックしておこう。木を見る前に森をしっかり見ることが大事である。

 

 話は長くなってしまったが、以上のようなポイントを前提に、「楽に論文を書くにはどうするか?」に話を戻すと・・・

いい論文を書く上で重要なポイントに的を絞って頭を使うべきである。さほど考慮する必要の無いところに無駄に(考える)労力を使い時間をかけるよりも、一番重要なところにポイントを絞って労力を使えば、少ないインプットで、そこそこのアウトプットが得られるはずである。

そういう意味で重視すべきポイントを三つに絞り明確にした事は、効率化に貢献するものだろう。そして、更にポイントを絞るとすれば、一番頭を使うべき箇所は二番目の“独自性(オリジナリティ)”であると言える。 卒業論文のアウトプットの質の半分はここで決まるといっても大げさではない。逆の言い方をすれば、この部分を予め明確にできれば、後は、仮説をたてて、それを検証し、それを証明する過程が、論理的に無理の無い様に説明・記述されていれば、それなりに、いい論文が出来るものだ。 ここからは“独自性(オリジナリティ)”に着眼し、どうすればオリジナリティが出せるのか?を事例も交えながら具体的に考えてみよう。


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