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想像力を働かせて〜企画・設計段階(続き) |
しかし、このように、うまくいけばよいが、例えば以下のような結果が出たらどうだろうか?
「仮説は検証できませんでした。すみません。」
という訳にはいかない。現実的に、もう一度新たな仮説を立てて、もう一度アンケートをやることは困難だ。
だからこそ、アンケートの企画・設計段階では色々なケースを想定して想像を膨らましてみる必要がある。よく言われるように、“なぜ?どうして?”を3回は繰り返して考えてみよう。
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男女差が(男性-携帯で女性-PHS)効いているのではないだろうか?
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アルバイトの有無?
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友人がどちらをもっているか?
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徒歩圏内の専門ショップの有無?
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高校生はお小遣いの大小と比例するが大学生は金額の大小よりもバイトの有無が比例する?
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都心はお小遣いだが地方はアンテナが近くにあるかどうか?が効いている?
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保有履歴-何台目か?
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・・・・
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このように細かい仮説があるからこそ、フェイスシート(アンケート対象者の属性を書いてもらう欄)や同時に聞くべき設問を企画設計することができる。
(フェイスシート)で必要となる設問項目例
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男/女性別
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アルバイトの有無
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PHS/携帯を持っている友人の割合
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徒歩圏のショップの有無
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高校生/専門学校生/大学生
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何台目(保有履歴)
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アンケートを企画するには、結論について予め検討がつき、それをどのように分析をするのかまで想定しておかなければならない(上記は全てクロス分析の対象となる)。だからこそ、想像力を働かせ、つきつめて考えに考えてみる必要がある。
しかしながら、想像するにも限界があると言われるかもしれない。また自分とは異なる属性の人を対象にする場合、想像の及ばない事象がある可能性は高い。
男の大学生が若い女性の結婚観について調べようとして想像力を働かせても、限界があるかもしれない。
通常、一般企業がマーケティングでアンケートを行う時には、定量調査であるアンケートの前に必ず定性的なプレ調査(座談会、グループインタビューと称するもの)を実施するものだ。少人数の対象者を集め、テーマについて自由に語ってもらい、その中から、ある程度の想定をつけるのだ。アンケートはあくまでもその想定を定量的に把握するために行われる。これと同じようにアンケート調査の前にも十分なプレ調査が必要であろう。
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