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卒論 Tips5 文系の強い武器・・・アンケート編  (4/9)
しょーもない間違いと、どうしようもない事設問・選択肢の企画と分解能向上(プレ調査)
 

 アンケートを行う際に重要な事は “母集団の設定とサンプリングである” と社会調査の教科書には書いてある。この母集団とサンプリングについて
実際のところどうなのか?”
を考えてみたい。例えば、あなたがアンケートを実施したとする。同じ大学の4年生男子を中心にお願いして数十人のデータが取れた。その結果をもって


「男性はみかんよりリンゴの方が好きだ」

といった結論を導くことが可能であろうか?アンケートでみかんとリンゴどちらの方がより好きですか?”と聞いた結果、リンゴ”の方が多かったとしても、・・・答えはNO”である。
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皆さんはどうして“NO”だか、かわかるだろうか?
それは以下の点で重要な間違いを犯しているからである。


母集団設定の間違い

サンプリング上の間違い

世の中全ての男性を対象として語ろうとしているのに、日本の、それもある地区の大学生にしかアンケートを行っていない。愛媛の男性に聞いたらどうなったか?アメリカ人やフランス人、インド人の男性にも聞いてみたら違う答えがでるかもしれない。

 

 

教科書でいうところの“ランダムサンプリング”の考えでは、
“対象とする母集団の全員のリストからランダムにサンプルを抽出して偏りがないようにアンケートしなければならない”
のである。

例えば日本人を対象した場合・・・

  • 47都道府県のばらつきがなく 
     (ex東京都に偏ることなく)

  • 県の中で市間のばらつきがなく
      (ex南町に偏ることなく)

  • 町の中で丁目にばらつきがなく
      (ex5丁目に集中することなく>

以上のような観点でバランスよくアンケート対象者をサンプリング(抽出)する必要があるのだ。


 冒頭の事例で触れた、身近でとったアンケートから男性はみかんよりリンゴの方が好きだ・・・”と言ってしまう間違いは少々極端な例であったが、これに類似する間違いは、往々にして見られるものだ。

 だから、アンケートを実施する際は、「推測したい母集団は何か」をまず明確にすることが必要である。“日本人男性の嗜好”なのか?全人類の男性の嗜好”か?男子大学生の嗜好”か?○△県の男子大学生の嗜好”か?。母集団をどう設定するかで、言える事も異なってくる(以下表参照)。
これを取り違えて、サンプリングした母集団からは言えない事、を言ってしまうのが、しょうーもない間違いである。

 


表:母集団、サンプリング対象と、その結果「言える事」
母集団 必要なサンプリング 言える事
世界中の男性 世界各国からサンプリング 男性は〜である
日本の男性 各都道府県からサンプリング 日本男性は〜である
○△大学の男子学生 ○△大学生の中からサンプリング ○△大男子学生は〜である

 

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