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卒論 Tips11 分析・考察のテクニック
分析・考察でよく使われる技術

 分析・考察する際に利用できる考え方をいくつかに分けて紹介しよう。キリがよい数字なので7つに分けてみた。レベルが整っているわけではないが、大体、以下の7つの考え方を頭の中に入れておけば、大抵の分析・考察には応用できるはずである。また以下のように表現すると、如何にも抽象的であり “わかり切っている事”と思いがちであろう。だから、ここでは、できるだけ実例を交えて紹介することで、皆さんに具体的なイメージをもってもらい、卒業研究に活かしてもらいたい。

  1. 定量的に捉える

  2. 分類して考える

  3. 比較する

  4. 関係性・法則を探る

  5. 切り口を変えて捉える

  6. 構造化する(原因−結果、目的−手段)

  7. タイムスケールを捉える

 

1.定量的に考える

 まず、最初は“定量的に捉える”ということであるが、定性的に捉えて論じるのに比べると、はるかにインパクトがある。例えば、“大体みんなやっているよ”というよりは、“都内の高校生の約75%が携帯で 着うた使ったことあるよ”という方が具体的で説得力は増す。卒論で掲げたテーマを実証的に証明してゆく一つの方法として、定性的なものをなるべく定量的に捉えるということが有効である。
だが、ここで問題となるのは、文科系の場合、理工系のように実験を行うわけではないので、もともと定量的に捉えにくいものをどうやって定量化するのか?といったところであろう。

<定量化の二つの方法>
◆アンケート
◆代替できる数字を探す

まず、一つの大きな手法としてアンケート手法がある。従来、社会学や一部の学科でしかアンケートは使われなかったが、最近はインターネットの普及で、簡単にアンケートが行えることから、卒業研究の目玉としてアンケートを行うのではなく、ちょっとした一部分の検証もしくは説明の補強道具として使う人もでてきている。例えば、先行研究を調べた上で通説を組み合わせて、“このように、現在の社会制度には決定的な矛盾点がある“ということを論じた際に、ついでにアンケートをとってみると、“社会人のうち8割が矛盾を感じており、そのトップ5は、〜、〜、〜、〜、〜、ということであった”というページを追加できるのだ。これにより、論文の厚みが増す。


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