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卒論 Tips11 分析・考察のテクニック

4.関係性・法則性を探る

これまで紹介した分析手法を使い、分類して、比較して物事を分析することで、何らかの関係性や法則性を見いだす事ができるだろう。また定量的に捉えてグラフにしてみることで、何らかの関係や法則を発見できるかもしれない。このように、先述した分析のテクニック等を使う目的・結果として位置づけられるものに、”関係性・法則性を探る”といったテクニックがある。

関係性を探ることを目的に据えて分析を行ってゆくと、自ずと比較の軸を明確にする必要が出てくる。何をよりどころにして関係性・法則性を導き出すのか?一つの軸を前提とする場合に例えば以下のようなものが、考えられる。

 

関係性・法則性の例
・時系列
50'-60'-70'-80'
○△意識を見ると、10年毎に約20%ずつ肯定派が増加してきている。
・組織形態
官−民
民間度合いが高くなるほど、成長率が高い。
・年齢
〜5、5〜10、10〜
児童の中で加齢により、○△は徐々に低下する傾向が見られる。
・相関関係 ○△意識が高いほど、×■意識は低くなることがわかる。

 

関係性・法則性を見いだすということは、あらゆる面で物事を数学的に考えるということでもある。つまり、数学的な記述方法をとると、”事象は関数 f() により結果を導く”というもの・・・を探すことが可能となる。

結果=f(事象)

考え方は昔中学生の時に行った数学と同じである。(x、y)=(1,3)であり、かつ(2,6)でもある場合xとyにはどのような関係があるか?

→y=3x

という関係式であった。

これと同じで、(x、y)を(年代、意識)、(組織形態度合、成長率)、(○△意識、×■意識)と置き換えて、そこに関係式を見いだすということである。但し、数学ではないので、関係性は厳密である必要はない。また文学等では、”〜ような傾向がある”といった指摘でも十分であろう。そのような傾向を発見し、指摘する事に意味がある。是非、このような考え方を持って分析にあたるとよいだろう。(また、上記のように一次式ではないかもしれない。関係・法則はもっと複数の事象が複雑に絡んでいる場合もある。それはすなわち二次式、多項式の関係を見いだすということに匹敵する。)


 

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