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  −卒論取り組み
<プロフィール>

のえるさん


某私立大学卒業
専攻:臨床心理学
テーマ決定:5月
取組開始:10月
● そうですか、わかりました。ちょっと卒業論文とは話がずれてきましたが、
 話を再び卒論に戻してゆきたいと思います。事前の話では「5月にテーマ決定」
 で、「10月から具体的な取り組み開始」とありましたが、テーマが決まって
 から10月までの前期〜夏休みはどのような過ごし方をされていましたか?
 卒業論文については何か活動されていましたか?
 前期に関してはひたすら形式を模索していました。
絵本をどうするか、どういった切り口にするかを考えていただけで、割と遊んで
いたかもしれません…。
この年は塾講師のバイトで受け持つ科目が増えていたので、その予習やテストの
準備など、本業と副業が入れ替わっていましたし。
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論文テーマ

就職活動

−卒論取り組み

卒論を終えて

テストがなかったので、7月中旬以降は休みでした。集中講義があったので、
9月中旬には学校に行きましたが、それまではわりとグータラしてました。
8月の前半はバイトがあったので、10日間くらいは1日つぶれましたね。
中旬以降は旅行に行ったりしてましたが、9月に入試があったので、卒論より
入試の勉強を優先しました。
卒論への取り組みは絵本の主題分析をしつつ、どのような構成で書くかを考える
位でした。入試が終わってから卒論に本腰を入れようと思っていたので、夏休み
は卒論より受験勉強でした。

● そうですか、じゃあ10月に本格的に取り組むようになってからですが、
 どのように取り組まれましたか?
 まず、入試が終わった10月から締切の12月までの3ヵ月弱の期間に何を
するかを計画し、机の前に貼っておきました。
授業が月曜、ゼミが火曜にあり、バイトが水・木・金の夜(塾の講師なので)
だったので、水・木は中央図書館に本を借りに行ったり、授業やゼミに行かな
かった日は家で本と睨めっこしてました。
特に明確なスケジュールは立てていませんでしたが、〆切1ヶ月前からはゼミ
の度に先生に論文を見てもらえるように、書いては印刷を繰り返しました。
● 先にも少し触れていましたが、テーマを具体化する所でかなり悩まれたと
 いう事でした。悩んだ中でどのように具体化していかれたのでしょうか?
 もともと「個性」とか「自己と他者」ということに興味を持っていたんです。
特に、「自分が見ている現実」と「他者が見ている現実」のズレとか。

ローベルからリオニ作品に変更した時、最初はこの「自己」と「他者」に着目し
ました。この時一番見たかったのは、「自己認識と他者認識」でした。
ですが、リオニの作品では「他者認識」を見出せても、「他者と自己の世界の
ズレ」を見出すことは難しかったんです。
この時、症例研究の形に持って行くことも考えたんですが、リオニの詳細なプロ
フィールが見つからなかったので、作品研究という形式をとることにしました。

次に私が着目したのは、「“他者”の存在を認識して初めて“自分”という存在
を認識できる」という点でした。
これは、リオニ作品には頻繁に見られ、先生からも「アイデンティティ1本に
絞った方が論点がぼやけない」とアドバイスされたこともあり、
「リオニが表現する自己認識(=アイデンティティ形成)のプロセス」
を心理学的に検討するという形を決めました。
視点が先生と同じだったことや、先生自身がリオニの作品のほとんどを持って
いらしたこともあり、作品の主題分析につまづいた時は随分教えていただきま
した。
● 卒論に取り組む上で、他に苦労された点等はありましたか?

 レオ・リオニの資料が少なかった事と主題分析に苦労しました。 リオニの作品には、たいてい「思春期」に関するテーマが含まれているので、 どの作品を使うと論文の構成がしっかりするのかを考えるのに苦労しました。 また、一番苦労したのは、先行研究がなかったことですが、逆に、そのお陰で先入観に捕われることなく論文が書けたと思います。

 これらの苦労をどのようにして克服してきたのか、是非、後輩の参考になる
 と思いますので、具体的に教えてもらえますか?
 資料が少ないという事に関しては、レオ・リオニを文学的な面から研究した
方が作っているサイトを見つけ、そこに掲載されている文献を参考にしました。
サイトマスターの方が親身に相談にのって下さったので、とても助かりました。

 主題分析は、担当教授がリオニ作品について詳しく知ってらしたので、
行き詰まると質問していました。
先行研究に関しては、諦めました。
また、作品の選択に関しては、リオニの作品を出来る限り多く読み、主題を
簡単に分析してから選びました。
(つづく)