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卒論 Tips6 インターネットを利用したアンケート  (1/3)
インターネットアンケートは使えるか?

 卒業論文でアンケートを実施するというと従来、社会学部等の一部の専攻の学生に限られていた。それは、”アンケート(社会調査)”自体が社会学分野の一手法として扱われていたからであろう。だが、その他にも、労力や費用の問題もあったと思われる。この調査手法は、そうそう簡単にはできなかった。しかし、世の中は変わり、パソコンが普及し、インターネット人口も2000万人という時代を迎え、エクセルを使えば誰でも簡単に多変量解析ができ、インターネットを使えば簡単に個人が、色々な人の意見を聞くことができるようになった。

最近、インターネットを利用したアンケートをよく見かける。企業もやっているし、大学生の卒論アンケートもちらほら見られる。果たしてこのツールは、使えるものであろうか?使えるとすれば、どのように使うべきか?そして、どうすれば使いこなせるのか?を考えてみよう。

インターネット・アンケートの特徴について見ると以下のような事が言える。

 

長所 ・低コストで実施可能
・集計も楽(入力作業軽減)
・顔が見えないので本音が出やすい
・特異なセグメントに対しても比較的容易にアクセス可能である
短所 ・対象がインターネットを使える環境にある人に限定される
・アンケートに積極的な人に限られる


社会調査の理論に厳密に沿えば、一般の人を対象としたアンケートをネットでやるのはサンプリングの考え方からして難しい。だが、インターネットが普及し一般化するにつれその偏りが少なくなることは確かだろう。
ここではアンケート編「しょーもない間違いと、どうしようも無い事」で前記した考えに基づき、かつこれまで卒論でインターネットアンケートを実施したことのある諸先輩方の意見も参考に、その活用法を考えてみよう。

◆厳密な意味で考えると・・・

  • 定量調査としては使えないが、参考値にはなる。
  • 定性調査として意見を聞くのには使える(本音を引き出せるよいツールである)
◆少し甘く考えると・・・
  • サンプル数がある程度集まればOK
  • しょーもない間違いをしなければOK
    (母集団を明確に設定し、その範囲で語る)
  • ”インターネット利用者”を母集団と設定すればOK

ではないだろうか?(なおここで”OK”の意味は統計的にOKということではない。卒論としてOKという意味)。
では、これまで卒業論文でインターネットアンケートを実施し、学位をもらった先輩の事例をみてみよう。


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