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卒論 Tips8 仮説構築力を試す  (1/2)
仮説の構築力について

 卒業論文のテーマを大まかに設定し取り組む際に、早い段階でどのような研究を行うのか?どのように持論を展開・証明するのか?取り組み方法と説明ロジックについて、論文のストーリーを設定してみる事をお勧めしたい。その分野について、ある程度の土地勘がつくようであれば、大胆に論文の展開について仮説を立ててみよう。

この仮説構築力を鍛えることが、卒論の設計及び今後色々な場面でも役立つと思われる。事例をもとに説明をしてゆくので簡単なドリルだと思って読み進めていってほしい。

まず、あなたは法学部の学生だと仮定して例題を出し、解説してみよう。例えば、最近何かと話題に上る”少年法”について関心をもち、これについて卒論で取り上げてみたいと思ったとする。特に、日本の少年法の妥当性について疑問をもち、これをテーマに設定した。さて、あなたならどのような展開でこれを進めていこうとするだろうか?

テーマを設定するかしないかの段階で、大胆にストーリーについて仮説を立ててみるのだ。もちろん間違っていてもよい。(右欄を参照 →)

このように、問題設定と、それをどのようなロジックで説明してゆくのか、仮説的に決めてしまうのだ。そして、これに合うように調査を加えてストーリーに肉付けしてゆけば卒論研究は早い。但し、本当かどうかわからず決め打ちした仮説なので調べてみると、ストーリーに修正が必要なこともある。そうなったら、修正が必要なところまで戻って、そこから先について、また新たな仮説を練り直してみればよいのだ。例えば、ストーリー途中の”背景事情が日本も諸外国と同等に・・・”という所が証明されなければ、そこから先のストーリーを考え直し、新たな仮説をたてて(例えば以下)また進むのである。

【仮説構築の例】

 
日本の少年法とは・・・ このようなものである

問題提起:これはおかしいのではないか?

問題提起の背景の説明(事例の列挙等)
諸外国の少年法を調べると・・・である。
諸外国の少年法の背景にある考えは・・・である。
この背景にある考え方は 、日本では従来馴染みにくかった。
馴染みにくかった理由は・・・である。
だが、最近の日本事情も変化してきた。理由にあがった時代認識について最近の日本の事情を調べると・・・である。
背景事情が日本も諸外国と同等になってきている。
よって、諸外国で採用されている考え方に基づき日本でも・・・のように法解釈を見直してよいのではないだろうか
尚、その時の問題・課題として・・・がある。

  • 諸外国の考え方は5パターンに分類可能

  • その5つは文化成熟度順に並べて考えることが可能

  • 日本の少年法は第二ステップにあるといえる。

  • しかし、文化成熟度を見ると第三ステップまできている。

  • だから、第三のパターンを検討してみてもよいのではないだろうか

  • ・・・

では、次に、あなたが文学部の学生になったとして、仮説構築力を試してみよう。
夏目漱石の書は、実は女性作家による著作ではないか?”と大胆な仮説をたてて、取り組んだとしよう。どのような論点を展開すれば、説得力のある論文になるだろうか?


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