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卒論 Tips11 分析・考察のテクニック

1.定量的に考える(続き)

  アンケート以外で定量化を図る方法はないだろうか?定性的なものに対して、独自の定量的な評価指標を設定することにより、丹念にカウントする方法がある。ちょっと説明がわかりにくいかもしれないので、いくつか例を出しながら紹介しよう。

 

例 【M&Aが増えた!】と言いたい時
  • 新聞記事に見る“M&A”に関する記事の件数を調べてみる。

  • すると95年に17件だったのが2000年 から倍々で増えて2003年には120件、2004年には240件にも増えていることがわかる。

例 【主人公に対して肯定的だ】と言いたい時
  • 全文中に占める肯定的な文節と否定的な文節をカウントする。

  • すると、主人公に対して肯定的な文節数が30%に対して否定的な文節が50%ある。ことがわかる。

例 【作品の傾向について】

○△全集に納められた作品数十巻を傾向別に仕訳してみる。
すると、その内、約4割が〜を〜にしたもので、約3割が〜を〜にしたものである。ことがわかる。

マクロ→ミクロで捉える

  • また、経済学等ではマクロ的にみて、わかっていた通説を、よりミクロに定量的に捉えることにより実証するといった事も考えられる。

  • 例えば、“景況指数は低下し、多くの企業でこの時期景気が悪くなった“という所を、”東証一部上場の流通関連企業30社の平均で見ると、約15%の営業利益率の低下、及び有利子負債額の5%増加が見られ、在庫回転率は…“

  • 具体的に数字を取れるレベルにブレイクダウンして定量化を図るのである。

以上、思いつくままに例を出したが、これら以外にも、定性的なものを定量化する方法はたくさん考えられる。是非色々な論文を参考に自分なりの工夫をしてみよう。

2.分類して考える

 対象を分類することにより、考察の分解能をより向上させて論じることが可能になる。分類と言っても、実に色々な分類が考えられる。ここでは分類する際の切り口について紹介しよう。

【一般的な分類例】

エリアサイズ

日本全体 → 各都道府県
 (に分類して考える)

タイム・
スケール

江戸時代
 →初期、中期、後期、末期
 (に分類して考える)

業種

企業
→農業、製造業、流通業、金融業
(と業種・業態で分けて考える)

方向性

全体 → IN、OUT

性別

全体 → 男、女

・・・

全体 → 部分1、部分2、部分....

【独自に分類軸を考える例】

一般的な分類の外にも、何らかの特徴を捉えることにより分類軸を考え、それにより分類を行う手もある

内容で分ける 例)主人公の種類で分類
人が主人公の作品、生物が主人公の作品、ものが主人公の作品
特徴で分ける 例)
→統率性、外向性、〜性
→視点1,視点2、視点3

尚、これらの分類を行う際に気をつけるべき点は、“分類したものがだぶらないか?”、“分類したものを合わせると、全体を表せるか?”である。


 

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