|
卒論 Tips11 分析・考察のテクニック

.分類して考える(続き)



【二次元で考える】

次に、趣向は少し異なるが、分析する際に二つの軸をとりあげて、四象限で表してやることが考えられる。分類のテクニックの一つだが、一つの軸だけで分類するのではなく、二つの軸で分類することで、よりきめの細かい分析が可能となる。また、感覚的に捉えやすく、考えを整理する際にも有効である。

但し、これは一つの考え方であって、そのまま上図のようなものを記述する時は、じっくり考えてもらいたい。数学的に言うと二つの軸が独立直交している必要がある。つまり、明確に分類できなければならない。
また表記法としては以下のものの方がぴったり来るかも知れない。
     
 

3.比較する

 “比較”は、分析の多くの場面で使われる手法である。A案とB案を比較してA案の妥当性を導く。先行研究同士を並べて比較することで、そこでは抜けていた視点・切り口を発見する。メリットとデメリットを比較することで結論を出す…、といった使い方はよく見かけるものである。

比較する際に重要な事は、“何と、何を、どのような軸で比較するのか?”ということである。特に、比較の説得性を向上させるためには、比較する軸が重要である。当然の事だが二つ以上のものを比較する際には、同じ軸で見ないといけない。例えば、二台の携帯電話を比べる際には、重量であったり、サイズであったり、登録メモリ数であったり、各々同じ尺度で比べるのが当然である。しかし、これが通説Aと通説Bのように、形がありそうでないものになると、論じている内に比較の軸が明確でなくなったりすることがある。社会的意義の視点から述べるのか、コストといった視点で述べるのか?特に、文学系で“愛情の深さ”なんてものを比べるとなると、何を、どう比較すればよいのかが曖昧、かつ主観的になりがちである。比較する際は軸が同じかどうかに気をつけよう。同じ土俵の上で比較するのが基本である。そうででないと、単なる感想や意見の範囲に留まり論文の推論にはなりにくい。

また、比較を使った分析で重要なのは、比較した際に、その差(ギャップ)に注目するということである。ギャップ分析という言葉があるが、どうして、そのような差が出たのか?差があるのか?を考察してゆくとよいだろう。


 

次へ>>